人生で外食の回数が100回に満たない男④完

人生で外食の回数が100回に満たない男。

すなわち年に2回くらいしか外食しない男。

そんな男が私の「飲みに行きましょう」という誘いに乗るはずがない。

そう思ったが答えは意外だった。

「●さん(外国籍女性で我々と同じ短時間バイトをしていた)のお店なら行ってみたい。▽▽料理は食べたことがないから食べてみたい。ただし長くても3時間で帰るけどそれでよければ」

「じゃあ〇月×日△曜日の仕事後に。●さんには私から昼間にお店を開けていただくよう連絡しておきます」

「●さんの連絡先知ってるんだ。ちなみに俺はケータイ持ってない」

「あぁスマホじゃないんですか。ガラケーですか」

「スマホとかガラケーとかじゃなくて、ケータイ持ってない」

「ホントですか?」

「ケータイはないし、車もない。機械があまり好きじゃない」

「機械ってw」

「いやほんとに。俺機械嫌いだからさ、お金もATMでおろしたことないんだよ」

「え?」

「だからいつも銀行の窓口に通帳持って行ってお金おろすんだよ。毎回窓口の人に「ATMでおろせますよ」って言われるんだけどねw知ってますっていうけどねw」

やはり突き抜けているw

もっともそういう行動をしたところで、見えないところで機械に頼って生きているということは彼も百も承知だろう。

だからこれは趣味(姿勢・態度)の話である。

そういう趣味なのである。

「じゃあ〇月×日△曜日の◎時〇分に××で待ってますのでそこで合流して●さんのお店に行きましょう」

相手はケータイがない。

故に事前に細かく集合時刻と場所を決めておかないとねw

というわけで一緒に酒を飲みました。

もとい、彼は酒を飲まないのでお茶を飲んでました。

ちなみに●さんのお店に向かう途中でしつこく次のように言ってました。

「俺さ、人が集まるところに行くと一切しゃべらなくなるから」

「俺さ、カラオケとか歌えないから」

「俺さ、店の雰囲気を感じただけで場違いな感じがしてダメかもな。固まっちゃうと思う」

飲みに行くだけで何をそんなに心配しているのかw

「大丈夫です。昼間開けてもらっているのでたぶん私と「外食100回未満男」さんと●さんしかいないです。カラオケもあるけど歌わなくて大丈夫ですw」

そんなこんなで私は酒を飲み、彼はお茶を飲んでお話をしました。

さすがに酒を飲んだ私が支払いはすべきだと思ったので全て私が支払いました(彼はきちんと払う気持ちでいましたが)。

色々興味深い話が聴けましたが、ここに書くのはやめときます。

私はモノを持たない主義であり、車はないけどさすがに原付はもっています。

彼は原付すら持っていなく、移動手段は自転車だそうです(自転車も機械っちゃ機械だけどw)。

また、彼は外食をしないのですから毎日自炊です。

たまに山に行って野草をとって天ぷらにしているそうです。

ヤブカンゾウの天ぷらはうまいからおすすめと言われたけど、ヤブカンゾウがどんな植物かすら頭に浮かびませんでしたw

ちなみに私の父は山菜とりが趣味でシラキの芽とかタラの芽とかとってくるのですが、その父ですらヤブカンゾウは知りませんでしたw

はい。

4回にわたって人生で外食が100回未満の男のことを書きました。

私は彼のような少し変な感じの人が好きです。

変と言っても全く理解できない変な人だったら(例えばごみ屋敷の人とか。ザコシショウがやるすれ違いざまに「殺す」とか言う人とか)、好きどころか恐怖すら抱くでしょう。

つまり、どこか理解できる変な人だから好きなのだと思います。

彼はケータイを持っていないので今後連絡は取れません。

おそらく私が生きている間に彼と二度と会うことはないでしょう。

それが彼らしさであり、だからこそ彼をおもしろいと思うわけだから、それでいいのです。

ちなみに短時間バイトを退職後、ある方が私の送別会を開いてくれました。

そこに彼の姿がなかったのは言うまでもありませんw

おわり

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