人生で外食の回数が100回に満たない男③

例の男は、仕事で集中している時に話しかけると険しい表情になると①で書いた。

その部分だけ書くと仕事のことを聞いてもあまり教えてくれない、みたいな印象を与えてしまったかもしれない。

しかし、実際はそうではない。

真逆である。

教え方は極めて丁寧でわかりやすいものであった。

なぜそうした方がよいかということも説明してくれた。

だから、私はわからないことがあるときはまず彼に聞いた。

まぁ彼が一番仕事ができたので、私だけでなくみながそうしていた。

もちろん彼が集中して作業をしていない時を見計らってw

まぁそんな感じで仕事のことを教えてもらう中で、プライベートなことも少し話したりするようになった。

「いわゆる働きたくないでござるという点で似てますね」

とか

「許されるならばできるだけ人と関わらずに黙々と一つの作業をする仕事がしたい」

とか仕事への価値観的なことも含めてちらっと話をするようになった。

やがて私の退職が決まり、残りの勤務もあとわずかという頃、彼と偶然外で出くわした。

私はこの偶然に勝手に何かの意味を見出し、彼にこう切り出した。

「退職する前に一度一緒に飲みませんか。仕事が終わった後にでも。退職した●さんがお店やってるの知ってます?そこでどうですか」

ちなみに●さんとは②で書いた外国籍の女性のことである。

②も全く無関係な話ではなかったのであるw

「草木さん俺酒飲まないんだよ。それに外食はね、子どもの頃から含めてたぶん100回もしたことないんだよ」

「え?100回もない?子どもの頃からですか?てことは…年に2回くらいしか外食しないってことですか?」

「そう。大学の頃もさ、サークルに入ると最初に新人歓迎会みたいなのあるでしょ。あれでさ、みんながゲロまみれになってるのを見て何が楽しいのかわからなかった。最初にそれに無理やり参加させられて以来そういうのには参加しないと決めた」

「あぁ…私は毎回ゲロはいてましたwそれにしても4年間で1度もですか」

「そう。あまりにも俺が参加しないもんだから「◎◎を参加させる会」みたいなのができてさ、そいつらが誘ってくるんだけど結局1回も行かなかったね」

「あらま。その辺は酒好きな私とは真逆の態度ですね」

「うん。そもそもみんなでワイワイやるというのが苦手だから…とにかく人と関わるのが苦手で…そう言えば大学の卒業の時にアルバムのために集合写真とか撮るでしょ。あれも顔を合わせるのがなんかめんどくさくてすっぽかしたよw写真と言えば●●(ごく近しい身内)の結婚式の写真撮影でマスクして俯いていたらカメラマンに個別に「マスクとって笑って」って言われたなw」

この結婚式のエピソードは他にもあってすごいのだけどあまりずらずら書くのも気が引けるのでやめておく。

「あらま。これは完全に私の上を行ってますねw」

「大学卒業してからもさ、飲み会は全部断ってるwそれで仕事で不利になったこともあったよwでも行きたくないからしょうがないよねw」

「すごいですね。面白いw」

彼は私の想像のはるか上をいっていた。

これはもっと話がしてみたい。

が、そんな人が私の誘いに乗るわけがないw

と思いきや、この後意外な展開となる。

つづきはまたあとで。

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