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【ネタバレあり注意】『ブラックジャック文庫版12巻 手塚治虫 作』のなかの「笑い上戸」を読んだ感想 「笑い上戸」なのに泣ける~

Black Jack―The best 13stories by Osamu Tezuka (12) (秋田文庫)

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なぜこのマンガの「笑い上戸」の回の感想を書こうと思ったのか

 以前ブラックジャックのDVDを観た感想を書きました。

 その時にブラックジャックの中で「ゲラ」というキャラが好きで機会があれば記事にしたいと書きました。

 その「ゲラ」が出てくるのがこの「笑い上戸」の回なのです。改めて読み返すとやっぱり面白い話でした。

 手塚治虫は天才か!という感じです。

 ブラックジャックは基本的に1話完結です。

 ストーリーのテンポがよく、短い中にもなにか心に残るものがあります。

 この文庫版12巻のあとがきで竹内オサムさん(失礼ながら存じ上げない方なのですが)も書いていますが、わずか数ページのなかでよくもここまでの深いものが描けるなぁという感じです。

 今この「笑い上戸」の回のページ数を数えてみましたが、わずか29ページでした。

 たった29ページにもかかわらず心に残るマンガ。

 あぁ私も短くとも心に残る文章が書きたいもんだ。

 

 ・・・失礼しました。

 以下、ネタバレ込みで感想を書いていきます。

 まだ読んでいない方でまっさらな状態で読みたい方はここでページを閉じることをお勧めします。

 では、ネタバレ込みでいきます。

ざっくりしたあらすじ

 時はブラックジャックがまだ学生だった頃に遡る。(中学生か高校生だと思う。「学生」は本来大学生に使うべきだと思っているので正確には「生徒」というべきだとも思うが、「生徒だった頃」との表現も聞きなれないので安易に「学生」とした。)

 ブラックジャックの通う学校に「ゲラ」というあだ名の少年がいた。

 とにかくよく笑う。

 スピーカーのように大きな声で笑う。

 学校を笑いで包む。

 おかげで学校のみんなが明るくなっていく。

 ただ一人を除いて。

 その一人こそが後のブラックジャック本名間黒男(はざまくろお)だった。

 当時既に黒男はとっつきにくい人間だった。

 ゾッとするような冷たさが漂い誰も恐れて近づかない、そんな奴だった。

 しかしゲラはそんな黒男にも笑って接する。

 拒否されても接する。

 接し続ける。

 そんなゲラに黒男も興味を持つ。

 いったいどんな育ち方をしたのだろうと後をつける。

 するとゲラの両親が1年前にサラ金から逃れるため夜逃げしてしまったため、1人で暮らしていることがわかる。

 借金取りもたびたびやってくるようだった。

 自分と似た境遇(両親がいない点)にも関わらずいつも明るいゲラにやがて黒男はひかれていき、腹を割って話す間柄となる。

 ある日黒男がゲラの家を訪れて談笑していると借金取りがやってくる。

 そこで借金取りと乱闘になりゲラはダーツで胸を刺され、救急車を呼ばれる騒ぎとなる。

 幸いゲラの命に別状はなかったが、以来入院したまま学校に戻ることがなかった。

 学校からゲラの笑い声が消え火が消えたようなさみしさになった。

 時は経ち、黒男は地方の大学で医学を学ぶ身となった。

 あれ以来ゲラの消息はわからなかったが、長い休みを取って探すことにした黒男。

 ついに入院中のゲラと再会する。

 そこにいたゲラはやつれて変わり果てていた。

 医者によれば声を出すとすぐに呼吸困難となるためただの一度も笑ったのを見たことがないとのことだった。

 黒男はゲラの手術をし成功する。

 「二次感染が起こらない限り大丈夫だよ」と黒男はゲラに伝える。

 ところが後日、ゲラが二次感染を起こし亡くなったと電話で連絡を受ける。

 がっかりする黒男。

 死の直前ゲラはスピーカーのように響くすごく明るい声で笑ったと聞かされる。

 最後の吹き出しは「先生の手術のおかげで笑えたのです・・・」との電話越しのセリフ。

 病院の大きな窓の前で無言でうなだれる黒男の後ろ姿で終了。

感想

1.「飛びぬけて明るい人がいると周囲も明るくなる」の法則を手塚先生はわかっていらっしゃる。

 私自身飛びぬけて明るい方ではないが、それとは関係なく、飛びぬけて明るい人が周囲にいると周囲も明るくなり、飛びぬけて暗い人がいると周囲も暗くなる、という法則を経験的に実感している。

 黒男の暗いパワーとゲラの明るいパワーの勝負はゲラの明るいパワーの勝利となり、黒男もゲラに笑顔を見せるようになった。

 これはゲラが言葉で「笑った方がいい」とか言って黒男を説得したわけではなく、ゲラの明るい振る舞いが黒男を変えさせたのだった。

 この辺の描き方が秀逸。

 短い中でよく表現されている。

2.ゲラのプラス思考がハンパない

 あらすじで書いた通りゲラの境遇はかなりきつい。

 にも関わらずいつも笑っている。

 黒男も幼い頃に両親と離ればなれになっており、その辛さがわかるだけにゲラに「なぜ両親を恨まないのか、泣かないのか、怒らないのか」と迫る。

 ゲラの答えはこうだ。

 泣くなんてムダ。

 怒っても疲れるだけ。

 黒男はいいお医者さんに治してもらったのにもったいない。

 自分は一家心中で道連れにされて死んでしまってもおかしくなかったのに、こうして生かしてもらえるだけで感謝。

 なぜこのようにプラス思考でいられるかの背景は描かれていない。

 しかし笑いながらごく自然にプラスに考えるゲラが描かれている。

 黒男はこんな考え方が突拍子もないと思いあきれながらもだんだんひかれていくのである。

 プラス思考最強だなと思う。

 どうすれば身につけられるか。

 これはもう日々実践するのみかなと思う。

 楽しいから笑うのはもちろん、笑うから楽しくなるみたいな。

 そして与えられた今の状況で幸せ、足るを知るというのがポイントな気がする。

3.ブラックジャックこと黒男のゲラに対する思いがひしひしと伝わってくるのがよい。

 偏屈な黒男がゲラに笑顔を見せる。

 黒男のゲラに対する気持ちの変化が29ページの短いストーリーで味わえる。

 黒男は8年間もゲラのことをずっと忘れずにいた。

 そして再会。

 笑えるようになった黒男と笑えなくなってしまったゲラの対比。

 笑えるようになるようにと必死に手術をする黒男。

 泣ける。

 ゲラは最後に死んでしまい、黒男は肩を落とす。

 悲劇。

 その悲劇性によってより私の心の中にこの話が印象付けられる。

  泣ける。

 笑えなくなったゲラが死の直前大声で笑う。

 「先生の手術のおかげで笑えたのです・・・」との言葉。

泣ける!

 黒男の心にはいつまでもゲラが生きているに違いないことがビシビシ伝わってくる!

泣けるー!!

 この話はブラックジャックの中でも超おすすめです。

 未読の方はぜひどうぞ。

読んでいただきありがとうございました。

合掌

↓このマンガの「笑い上戸」の感想を書きました。

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